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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第7章 巻き込まれた(?)GW


別荘の温泉はこれまた豪華としか言いようが無かった。
庭園露天風呂を縮小したような感じで、広さは約10畳くらいだろうか。
たっぷりと縁までたゆたったお湯が、早く入っておいでと誘っているようだ。
掛け湯をし、足からお湯に入っていく。

ふはーっ! 生き返る――っ!
熱さが疲れた身体に染み渡っていくー!

ジーン、と温泉を堪能していると、隣に座っていたカナちゃんがキョロキョロと周りを見回し始めた。

「どしたの? カナちゃん?」
「ん……。その、あの子……」
「あの子?」
「…、及川さん。居ないけどどうしたのかしら?」

そう言えば、スパーンッと忘れてた。
確かつららちゃんは雪女だから、入れなかったっけ?
原作では、リクオ君と一緒に清継君の妖怪スポット巡りについて行ってたけど、現実ではどうだろう?

「部屋に行ってるとか」
「……。そうかな?」
「そうそう。だって、他に行くとこないと思うよ? もう周りはすごく暗いし」

うーん、と考え込むカナちゃん。

おお、考え込むカナちゃんも可愛い! 眼福だなぁ~

そうホッコリしていると、突然ザパッと音を立てて立ち上がった。

「そうよ。夜のデートしてるかもっ!」
「ん?」
「舞香ちゃん! 私、先出るね!」
「え? え?」

呆気に取られる私を残し、カナちゃんはお湯から上がると、脱衣所に駆け込んで行った。

って、もしかして原作通り、真っ暗闇の中、山の中に一人で飛び出す!?
ちょ、それ危ない!
漫画の中では危険な目に遭うような事は全く描かれて無かったけど、現実での山の中は、かなり危ないと思う。
熊とか出るかもしれない!!

「待って! カナちゃん!」

「2人共もう出るのー?」「もうちょっとゆっくりしてけばいいのに~」という巻さんと鳥居さんの声を背にしながら、私は湯から上がると急いでカナちゃんを追いかけた。
ガラッと勢い良く脱衣所の扉を横に開ける。
と、急いで服を着ているカナちゃんが居た。
カナちゃんは私を見ると吃驚したように目を見開く。

「舞香ちゃん? え? なんで?」
「あはは。私、カラスの行水なんだ」
「そうなんだ」

カナちゃんは私の言葉を素直に信じた。
そして、急ぐように着替え終わったカナちゃんは脱衣所を飛び出す。
私も慌ててそれに続いた。
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