第6章 鼠の反乱
「だが無理をするでないぞよ?」
「うん!」
私はお母さんから身体を起こすのを手伝って貰うと、肩を庇いながら廊下に出ると隣のリクオ君の部屋に向かった。
障子をそっと開けるとそこには、額に濡れタオルを置かれ左手にネギを持った奴良リクオ君が、10畳ほどの部屋の中に寝かされていた。
顔を赤くして、うーんうーんと唸っている。
そんな奴良リクオ君の顔を見てると何故か心臓がどきどきして来る。
ん? このドキドキなんだろ?
緊張してる?
くっ、緊張なんかに負けるもんか!
私は思い切って、部屋の中で寝ている奴良リクオ君に声を掛けた。
「あの! だい、じょうぶ?」
「有永……さん?」
熱に浮かされたような、弱弱しい声が布団の中から返って来る。
何故か更にドキドキが増した。