第3章 腹をくくりましょう
ちなみに私は、少年漫画も少女漫画も大好きだ。
その中でも、特に好きだったのは少年漫画の『ぬらりひょんの孫』
小説も画集も全て揃えていた。
小説や画集まで揃えたのは、この漫画しか無い。
それほど好きだった。
なので、私は外を歩けるようになると速攻、近くの書店に飛び込んだ。
再度、単行本を揃える為だ。
しかし、『ぬらりひょんの孫』の単行本は置いて無かった。
心の中で、滂沱の涙を流したのを覚えている。
そんな私が、同姓同名と言えども、漫画の中の主人公に似ているリクオ君に目が行かないわけがない。
私は授業中や授業と授業の合間の休み時間など、コッソリ奴良リクオ君の後ろ姿を見ていた。
見れば見るほど、似ている、と思う。
すごいなー。実際に妖怪とか居るわけないから、夜の姿には変身しないのだろうけど……
話して、みたい。
しかし、いざとなると、声を掛ける事が出来ない。
うー。私の意気地無しー!
転校して一週間。悶々としている私だった。