第6章 鼠の反乱
「ヒャハハハ! 式神持ってない陰陽師はただの女だぜ!」
ゆらちゃんの胸元を破った下っ端らしいホストがゲラゲラと笑う。
私はゆらちゃんに駆け寄ると破かれた胸を見せないように前から抱き締める。
どうしよう。何も手立てが無い。
足が恐怖でガクガクと震える。
と、金髪のホストが自分の腕時計に視線を落とした。
「さて……、そろそろ時間だが、来ないな」
来ない。
やっぱり、奴良リクオ君は……来ない
目の前が真っ暗になった気がした。
「お前達。始めるぞ」
「へへへ。待ってました!」
「オレ、長髪の子がいいなぁ~」
下っ端のホストが顔を鼠のような顔に変えて、ケージの入り口を上に押し上げながら、入って来た。
私はゆらちゃんを抱えたまま後ずさりする。
「おい、知ってるか~? この時間帯の人間の血はドロッとしてうめーんだ~」
「子猫ちゃん達の血ぃ~、貰うぜー?」
下っ端のネズミ顔ホストは、ガアアァッ、と大きな口を開けながら襲いかかって来た。
もうダメ!