第6章 鼠の反乱
すごく不快な目に遭い、只今、どでかい檻というか、ハムスターケージを大きくした物の中にゆらちゃんと一緒に閉じ込められている。
あの後、捕まりそうになり、2人で手を取り逃げたが、袋小路に追い込まれ、原作と同じ目に遭ったのだ。
ネズミの大群……
すごく、気持ち悪かった!
って、言うか、なんでハムスターケージのような中に入れられてるんだろ?
ような、というかまるでハムスターケージそのものだ。
後ろには、人間が入って回せそうなほどの大きな回し車もある。
と、すぐ傍で気を失っていたゆらちゃんが、呻き声を上げながら目を覚ました。
「ん……、んん……、こ、ここは……?」
「目が覚めた? 花開院さん」
「あ! 有永さん! 大丈夫やったんか!?」
両腕を掴み、顔を近付けて来るゆらちゃんに私はコクコク頷いた。
「うん。どこも痛くないよ」
私の言葉を聞いてゆらちゃんはホッとしたような顔になる。
そして、周りを見回した。
「ここは一体どこなんや?」
「判らない。私もさっき気がついたところだし……」
と、どこからか、あの金髪ホストの声が聞こえて来た。
「よう、陰陽少女。どうだい~? ネオンの中で捕らわれた気分は?」
「窮鼠!」
振り向くと、ケージの傍に煌びやかな赤い椅子があり、その王様の椅子のようなものにふんぞり返りながら座っている金髪ホスト男が居た。
その男は、最初私達に声を掛けた金髪頭のホストだった。
「ふふふ。3代目が約束を破ったら、すぐさまお前らは処刑さ~」
処刑?
いや、奴良リクオ君は来る! 絶対に!
と、自分の立場を思い出す。
あ……カナちゃんは幼馴染だから奴良リクオ君も気にかけて助けに来たワケで……
今、捕らわれてるのは、私。
ただのクラスメイト。
ただのモブ。イレギュラー
ど、どうしよう……。助けに来てくれないかもしれない!
うわわ、どうしよう。どうしよう。
霊符と数珠の入ったポーチは!?
慌てて腰回りを探っても無い。
もしかして攫われる時、どこかに落とした!?
不安で胸がいっぱいになっていると、突然「星矢さんって呼べやー!!」という大声と共に布の引き破かれる音が響き渡った。
ハッとして、ゆらちゃんの方を見ると無惨にも胸元を大きく破かれていた。
「花開院さん!」