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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第6章 鼠の反乱


駅でいったん解散すると、私は計画通りカナちゃんに声をかけ、ショッピングへと誘った。
今はまだ16時。門限までまだ時間がある。
カナちゃんも喜んで、承諾してくれた。そして私達は駅前のショッピングモールに入る。
可愛い服やアクセサリを見て、お互い似合うものを選び合った。

すごく楽しい!
だって、カナちゃん、可愛い上にスタイルが良いから、何でも似合う!
選び甲斐抜群だ!

「次、これ! カナちゃん!」
「え、私に似合うかな?」
「似合う! 絶対、似合う!」

そんなやり取りをしていたら、時間はあっと言う間に流れて行った。
ふと携帯が震えたのでそれを取り出してみると、家からだった。
時計は18時を少し過ぎていた。
背中にダラーッと嫌な汗が流れる。

まずい。怒られる!

「もしもし……、おかーさん…?」
「舞香。今何をしておる。もう18時じゃぞ? 約束の刻限は過ぎておるぞ?」
「ご、ごめんなさい! お母さん! 今、駅前のショッピングモールでカナちゃんとお買い物してた。すぐ帰る!」
「ほんに困った娘じゃのう。帰ったらお仕置きじゃ」
「お仕置き、勘弁ー!」
「そう思っているのなら、早(はよ)う帰って来る事じゃ」
「判った! すぐ帰る!」

私は携帯を切ると隣で電話が終わるのを待っててくれたカナちゃんに両手を合わせた。

「ごめん。もう帰る時間」
「そうなんだ。じゃあ、駅まで送るわ」

その言葉に「うん」と頷きそうになるが、ふいに原作で夜の繁華街をバックに、カナちゃんがゆらちゃんに声をかける場面が思い浮かんだ。

ちょっと待って?
このまま別れると、カナちゃんはゆらちゃんに声を掛ける事になる?
それだったら、何のためにショッピングに誘ったのか判らない。
本末転倒だ。

私は頭(かぶり)を振ると「こっちが付き合って貰ったんだし、私がカナちゃん送るよ」と返した。
「え? でも、舞香ちゃん、早く帰らないといけないんじゃないの?」
「あはは。カナちゃんみたいに可愛い子一人で帰したら、危険、危険。って、事で家どっちかな?」
「もう」

カナちゃんは溜息をつくと、「こっちよ」と私と手を繋ぎ歩きだした。
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