第6章 鼠の反乱
うわわ、な、なんて言えばいい!?
正直に夜リクオ君から妖怪に襲われた所を助けて貰ったあと、お泊りしました……なんて…言えない!
あわあわしていると、カナちゃんの隣に座っていた奴良リクオ君がこちらに身を乗り出して来た。
「き、聞き間違いだよ! カナちゃん!」
あ! そうすればいいんだ!
ナイス! 奴良リクオ君! 頭いい!
そうそう、カナちゃん、聞き間違い! 聞き間違い!
私は奴良リクオ君の言葉の後に、こくこくと大きく頷く。
「それに有永さんが、ボクん家に泊まるなんてこと有り得ないしさ! ね!」
ん?
「そ、そう……?」
奴良リクオ君に丸めこまれるカナちゃん。
でも、なぜか奴良リクオ君の言葉に胸がツキンッとした。
うん。普通に考えたら、ただのクラスメイトの家になんてお泊りしない。
けど、けど……
必死に言い繕い隠そうとする奴良リクオ君を見てると、なんだか複雑な気持ちになる。
どうして?
自分の胸に問いかけるが、答えは返って来ない。
その数十分後お開きとなり、まだガックリしているゆらちゃんや清継君達と一緒に奴良家を出た。