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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第5章 恐怖の人形とご対面


「カナ、ちゃん?」

恐る恐る声をかけると、「ん? どうしたの? 舞香ちゃん?」と振り向かれる。
その顔は元の可愛らしい表情。

さっきの怖い顔は、何かの見間違い?

「あ、えっと…、なんでもない」
「?」

首を傾げるカナちゃんの後ろで2人の友達が口を開いた。

「早く教室行こ!」
「そうそう。今日は朝から宿題写させて貰わないといけないんだから!」
「あ。今日当たる日だっけ?」
「そうそう。確実に当たる人と同じ列」
「じゃあ、早くカナのを写さなきゃ!」
「へ?」

そう言うと2人は唖然とするカナちゃんの腕を引っ張った。

「早く、早く! あと15分!」
「もう! 自分でやった方がいいのよ」

そう言いつつもカナちゃんは、苦笑しながら引っ張られて行く。

「舞香も早く!」
「あ、うん」

頷き、3人の元に行こうと足を踏み出すと、突然後ろから声をかけられた。

「あの……」
「あ、はい?」

振り向くとそこには髪を肩くらいで切り揃え、少し垂れ目がかった少女が立っていた。

「職員室はどこですか? 勝手がわからなくって」

えーっと、職員室?

私は転校初日、校長室に迎えに来てくれた担任の先生から、教室に行きがてら案内して貰った事を思い出す。

「えーっと、この棟の2階……かな?」

曖昧な言い方にその少女は少し小首を傾げる。

「ごめん。私も最近転校してきたばかりで、場所があやふやなんだ」
「そうなんですか。おおきに」

ペコリと律儀に頭を下げるとその少女は二階に上がる階段へと歩を進めた。

あれ? おおきに、って……もしかして

私はまた原作を思い出す。

確か初期に花開院ゆらが転校してくる場面があったはず。
って、もしかして、あの子が花開院ゆら!?
漫画では、あまり感じなかったけど、実際会ってみると、小柄で可愛い!

私は、その場でじーんと感激に浸る。
と、何時の間に時間が過ぎて行ったのか突然予鈴が大きく鳴り響いた。

「わっ!? 教室に行かないと!」

私は慌てて、自分の教室に駆け込んだ。
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