第13章 わくわく京都への旅
そう言えばリクオ君に近寄るなって言われてた!?
京都に来て助けてくれ、花開院家で普通に一緒に過ごしてたから氷麗ちゃんがリクオ君の事で怒っている事を忘れていた。
私って今もろに、夜リクオ君と接近してるー!?
しかも、がっちり腕掴まれてるしっ!
「ちょ、ちょ、リクオ君、離してって!」
氷麗ちゃんが睨んでるーっっ
「ああ、悪ぃ」
夜リクオ君はやっと掴んでいた腕を離してくれた。
私はほっと心の中で息を吐く。
ふう、こ、これで、睨まれない?
私はそっと夜リクオ君の横に来た氷麗ちゃんを伺った。
だが、私の事は目もくれず、ただただ一心に夜リクオ君を見上げていた。
そして可愛らしく両手をぐっと握り込むと夜リクオ君に語り掛けた。
「リクオ様、今は有永さんに構ってる時じゃありませんっ! 早く羽衣狐を見つけ出し倒しましょう!」
が、何故か氷麗ちゃんの言葉に夜リクオ君は、私の方に視線を向けた。
ん? 何?
夜リクオ君が何を考えているのか判らない。
はて?
と、氷麗ちゃんは何かを察したのか、再び口を開いた。
「大丈夫です、リクオ様! 有永さんの戦闘能力は四国の時に証明されてます!」
………、は? ……え? 戦闘能力?
どういう事?
それに、四国? 四国って……えーっ!?
「ちょっ、戦った記憶ないんだけど!」
思わず反論すると、キッと睨まれた。
「なんで記憶に無いのよ! あんなにリクオ様を傷つけたクセにっ!」