第13章 わくわく京都への旅
なんで鬼?
と、視界の端に折り重なって倒れている異形の妖怪達が入って来る。
妖怪達が壁の向こうから吹っ飛んで来た?
ってことは……
強い妖怪が壁の向こうに居るって事っ!?
「ちょ、ちょ、ちょ、どいてーっ! 私戦いに関係ないから! 一般人だからー!」
鬼をどかそうともがもがしていると、壁の向こうから人影が現れた。
いーやーっ! そ、そ、そうだ! 死んだフリしよう!
ナイスアイデアを思いつき、もがくのを止め目をぎゅっと閉じた。
と、何故か艶やかで低い声音が耳に入って来た。
「舞香?」
「は?」
この声は、夜リクオ君!?
信じられない気持ちで目を開くと、崩れ落ちた壁の穴から夜リクオ君が銀の髪を靡かせ長ドスを肩に担ぎながら佇んでいた。
壁の向こうに見えた人影は妖怪化した夜リクオ君だった。
どっと胸の中に安心感が広がる。
リクオ君だ、リクオ君だ、リクオ君だ……っ!
夜リクオ君は不思議そうな顔をしながら、こちらに歩み寄って来た。
「何でこんなトコ居るんだい?」