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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第13章 わくわく京都への旅


腕で頭を庇いつつ襲い来る恐怖に再びぎゅっと目を閉じた。
と、またガンッと音がするだけで衝撃や痛みは何も襲って来ない。
どこかで「大丈夫」とお父さんの声がした気がした。
でも、でも、原作でのリクオ君の味方である遠野の2人に攻撃されるなんて、絶望感が半端ない。

もういや、もういや、いやだーっ!

私は目じりに涙を湛えながらそっと目を開くと、そのまま回れ右してもと来た道へと駆け出した。

「あ、待ちやがれっ! 京妖怪!」

私、私、
「京妖怪じゃないーっ!」

駆けながら後方の淡島に向かって涙声でそう叫ぶ。

「ウソつけ、このヤローッ」

信じて貰えないっ

私は必死で逃げた。
後ろも振り向かず廊下が続く限り走り続ける。
そう、もう無我夢中。必死の必死で逃げた。


と、走り続けていると数メートル先に壁が見えて来た。廊下は右へと曲がっている。
それと共に前方周辺がなんだか騒がしくなって来た。
何かを破壊するような音や刀と刀が交わる音も聞こえて来る。

な、何?

私は一旦足を止めた。

もしかして前方の壁の向こうで戦いが繰り広げられてる?

巻き込まれたら逃げ出すのは、難しい。
私はそっと後ろを振り返る。
遠野の2人の姿は無かった。
追いかけるのを諦めたっぽい。
ほっとすると再び現れた難題に目を向ける。
壁の向こうの戦いだ。
この先の廊下は右へ曲がるようになっているが、壁の向こうで戦いの音が聞こえて来るから、もしかしたら戦いの真っただ中に出てしまうかもしれない。

それは嫌だ。
絶対、攻撃される。

でも、回れ右して来た道戻ったら、また淡島とイタクに出くわしてしまうかもしれない。

どうする、私ーっ!

その場でうーんと考え込んでいると、突然前方の壁が爆発したように吹き飛び、爆風と共に壁の欠片や何かの塊が私の方に飛んで来た。

「わわっ!?!?」

大きな塊が胸元にドンッと飛んで来て、押し倒され後ろに倒れた。
そして、そのまま廊下の板目に後ろ頭を思い切りぶつける。

「いったーーっ」

一瞬星が舞ったよ!!
って言うか、何が飛んで来たの!?

私は後ろ頭を押さえながら、頭を浮かせて胸の上に乗っている物体を見た。
それは身体の色が深緑色の鬼だった。
目を回して気絶しているのか、全く動かない。

「は……?」
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