第13章 わくわく京都への旅
と、しばらく長い廊下を彷徨い歩いているとどこからか喧噪の声が聞こえて来だした。
え? え? え? どっかで戦いが起こってるっ!?
ま、巻き込まれないように、音から遠ざからないと!
って、どっちの道選べばいいのー!?
目の前には真っ白な襖。
廊下は左右に分かれている。
そして、聞こえて来る戦いの音は、前方から。
茨木童子がもしかして追って来てるかもしれないから、後ろに戻りたくは、ない!
ど、ど、ど、どっちが迂回の道!?
きょろきょろ、と目を左右に動かす。
よ、良し! さっきは右だったから次は左ー!
と、見せかけて右っ!
私は走りやすいように再び両裾を持って、すたたたたっと駆け出した。
と、また曲がり角を曲がった所で何かの物体とぶつかり、ごんっと額を打つ。
「っっっ!!!」
透明の小さな光が幾つも目の前を舞う。
あまりの痛さにぶつかった眉間を押さえて蹲っていると、女性の声が聞こえて来た。
「いてててて、誰だよ、オレの顎にぶつかって来たヤツは!」
ん、ん……? 女性の声なのに、一人称が”オレ”……?
私はなんだかその人物が気になり、確認すべく、痛みを堪えながら眉間から手を離した。
…………え、え!? も、もしかして、もしかして……
目の前に尻餅をついた格好で顎を摩る女性。茶色の髪に大きな胸をサラシで巻いている。
遠野の淡島ー!?