第13章 わくわく京都への旅
え? 吸収?
あ……! 雷獣の子供だから?
よ、良かったーっ、お母さん、雷獣でありがとう!
心からお母さんに感謝しつつ、顔を上げると茨木童子のしかめられた顔が目に入って来た。
その顔はすごく怖い。
この前襲ってきた竜二さんより怖い顔だ。
め、目を逸らしたい!!
でも、逸らしたらダメな気がする!
しばらく私と茨木童子の間に緊迫した空気が張り詰められた。
と、突然、茨木童子は何故か目を逸らし「クソッ」と呟く。
そして、腰元からもう一本刀を抜くとそれを鍔の近くで交差させた。
え? え?
「受けてみやがれ。女ぁあ。仏斬鋏!」
はいぃ!?
黒いオーラみたいなのが茨木童子の身体から噴出したかと思うとそれは2本の刀に纏わりつき、斬撃と共にこちらへ襲って来た。
「ちょっ、なんで大技出すのー! 私、素人ーーっ!!」
怖さに目をぎゅっと瞑りながらも、私は本能に従って右腕を大きく振るった。
とたん、ギンッと何かが大きくぶつかり合う音と共にぶつかり合った衝撃が腕を震わせた。
爪がジンジンと痺れる。
「いったーっ!」
目を開け右手の爪を見ると、長いそれが見事に途中から折れていた。
え? 結構頑丈だと思ってたのに、折れてる?
茫然としていると、何故かすぐ後ろから茨木童子の声が聞こえてきた。
「隙だらけだ。女」
は、え?
何も考える暇もなく、首の後ろに強烈な衝撃を受ける。
そして、突然目の前がブラックアウトした。