第13章 わくわく京都への旅
「な、なに!?」
「地震ー!?」
と、ズウン、ズウンという音と共に、電気がフッと消え辺りが暗闇に包まれた。
なに、なに!?
何が起こってるんだっけ!?
テーブルにしがみ付きながら、原作の出来事を思い起こそうとするけど、揺れる部屋に思考が纏まらない。
天井の板や壁が剥がれ落ちる。
「こ、ここ、もうやばいんじゃないのかい!?」
清継君の言葉に、巻さんと鳥居さんが取り乱す。
「建物に潰されるのイヤー! だけど、外に出て妖怪に襲われるのもイヤー!」
と、混乱の中渋い声が大きく響いた。
「オイ、お前ら。うるせーぞ。寝らんねーじゃねぇか」
それは、ソファーに寝そべっていた、青田坊……いや、倉田君だった。
「倉田、くん……?」
悠然としている青田坊に皆茫然とした顔で見つめる。
そして青田坊はソファーから起き上がると両手をポケットに入れながら入口へと歩き出した。
「外、今危ないよ……? 何かあったら……」
青田坊は声を掛けたカナちゃんの方へ顔だけ振り向かせると、ニヒルに笑った。
「そんなにオレが心配か……?」
そりゃ、心配でしょ。カナちゃんは青田坊の事、人間だと思ってんだから。
心の中でそう突っ込んでいると、青田坊はドクロの数珠を手に持ち、「喝っ!」と唱えた。
すると、清継君をはじめとする巻さんや鳥居さん、そして島君にカナちゃんがパタパタとその場に眠って行った。
……。えーっと、何?この状況!?
「私、眠くならないのだけど!?」
そう言うと、青田坊がギロリと鋭い視線を向けた。
うわっ! こわいっっ!!
「お前……有永だったか?」
「はい! お肉大好きな有永です!」
思わずピシッと手を上げると、「ケッ、そういやお前半妖だったな。仕方ねぇ。そこで大人しくしとけ」と言われ、私は素直にコクコク頷く。
そんな私を置いて、青田坊は今度こそ部屋を出て行った。
これってどういう状況なのー!?