第13章 わくわく京都への旅
出された食事は、なかなか美味しいものばかりだったが、肉料理は一つも出て来なかった。
「肉料理ー……」
応接間のテーブルにぐでーっと身体をうつ伏せにしていると、テレビを視ていた清継君が叫び声を上げた。
「こ、これは……っ!?」
「どうしたの、清継ー」
「何か面白い中継とかあったの?」
巻さんと鳥居さんが尋ねると、清継君はテレビに覆い被さっていた自分の身体をどかし、テレビの画面を皆に見せた。
「見たまえ! 諸君! 弐條城が突然現れたんだよ!」
「え? それがどうしたの?」
「弐條城って普通に建ってんじゃないの?」
「君達! 普段の弐條城は本丸と二の丸御殿しか残ってないんだよ!5層の天守閣が建っていたのは昔で今は跡地なのさ!」
「「えぇえーー!?」」
「じゃあ、このそびえ建ってるお城って何よ!?」
驚く巻さんと鳥居さんに続いて、私も驚いた。
なんと!? 原作では普通にお城が建ってたから、そんな事全く気にしなかった!
なーるほど? だから、リクオ君と鬼童丸との戦闘時、二条城の内部が変化したとき、思念がなんやかんやと言ってたんだねー
ほうほう、と頷いていると、テレビ中継でアナウンサーの人の悲鳴が響き渡り「しばらくお待ちください」という画面に切り替わった。
……、妖怪に遭遇して食べられたー!?
ゾゾゾッと悪寒が、背筋を駆けのぼる。
怖っ、怖っ、怖っ……!
皆も真っ青な顔をしながら、画面を見つめた。
「どうなってんの。京都は……」
「さあ……」
呟く巻さんと鳥居さんの後に続くように、カナちゃんが不安そうな声を上げる。
「ここって弐條城近いよね……」
「そうだったの?」
「そうだよ。舞香ちゃん、周り確認した時、聞いてなかった?」
「うん。肉料理の事考えてた!」
「……」
私の正直な言葉に強張った顔のまま苦笑を漏らすカナちゃん。
いや、肉料理店ばっか探してたのは覚えてるけど、弐條城の位置なんて覚えてない!
弐條城の位置知ってもお腹の足しにならないし!
うむうむと頷いていると、大きな轟音と共に部屋が揺れた。