第13章 わくわく京都への旅
と、その心配は杞憂だった。
のんびりした感じの陰陽師さんっぽい人がやって来て、私達を応接室っぽい所へ案内してくれ、お茶と羊羹を出してくれた。
はー、ゆらちゃん、私達の後の事忘れてなかったんだ。
よかったー
立派なソファーに腰掛けながら、私は安堵の息を吐いた。
さて、と。
私は改めて室内を見回す。
原作の通りになるとすると、私達はここで過ごす事になる。
でも、こんなに立派な応接室が設置されてる家だから、きっと美味しい肉料理が出る事間違いなし!
期待に胸を躍らせながら、出された羊羹をパクリと食べズズッとお茶を啜った。
ごめん。羊羹、ちょっと苦手。
でも、出されたものは、きちんと完食しないと!
相手に失礼だとお母さんから教わったからね!
もきゅもきゅ食べてると隣に座っているカナちゃんが、私の顔を覗き込んできた。
ん?
首を傾げるとカナちゃんは、可愛らしい目で私を見つめる。
「舞香ちゃんってソレ好きなの?」
「それってコレ?」
人差指で手元にある羊羹を指さすとコクコクと頷かれる。
「好きって言うか……、普通?」
「そっかぁ、美味しそうに食べてるからてっきり大好物かと思っちゃった」
「そんなにおいしそうに食べてた?」
「うん。だから、私のも食べて貰おうかと思って……」
「え」
「だめ、かな?」
きゅるんとした可愛らしい目に見つめられ、嫌とは言えない。
可愛さって罪!
「嫌いだったら仕方ないよね。いいよ」と頷くと嬉しそうな表情で私の前に差し出される羊羹のお皿。
カナちゃんの笑顔に負けたよ。私……。
心の中で項垂れながら、増えた羊羹を口の中に入れた。
そして、あっと言う間に2日が過ぎた。
その間、氷麗ちゃんやゆらちゃんが居なくなったりしたけど、戦いなんて出来ないので大人しくしている事にした。
清継君達も外は危ないと外出は許されなかった。