第13章 わくわく京都への旅
清継君が驚愕に目を見開いた。
きっと陰陽師は妖怪に負けるハズが無いと思っていたのだろう。
ゆらちゃんは、顔を上げ清継君を見ると、「だから……」と続けた。
「今はまだ夜だけ妖怪は活動してるけど、このままだとどないなるか判らへんさかい、花開院家は仏閣神社に近寄らへんよう警告を出しとるんや」
「どうなるか判らない、と言うと……、昼も妖怪が出没するようになるって事かい!?」
清継君が嬉しそうに目を輝かせるが、巻さんが呆れたような目で突っ込んだ。
「清継ぅー、まさかそうなったら昼に出かけよう、なんて言い出すんじゃないでしょーねー?」
それに、清継君は目を泳がせた。
「は、はっはっ、まさかこのボクが君達をそんな危険な所に連れて行くハズないじゃないか」
「でも、行きたいんだよねー」
私がすかさず後ろからそう言うと、清継君は「もちろんさっ!」と拳を握りしめながら私の方に振り向いた。
「流石は有永さん! ボクの心の代弁者だね!」
「いや、清継君の思考ってそればっかだし」
そう言うと、巻さんがスクッと立ち上がり、清継君の胸倉を引っ掴んだ。
「清継~……、あんたねぇー」
「い、いや、巻さん、さっきのは言葉のアヤさ!」
慌てて両手を振る清継君に、「本当でしょうねー」と半眼で睨む巻さん。
本当に妖怪大好きな清継君だ。
弁解をしている清継君を見ながら、溜息を付いてると、ゆらちゃんがまた口を開いた。
「昼に出る可能性は十分にあるんや。それに、封印を全部解かれたら……、予想なんやけど、京全てが闇に飲まれる。いや、それだけでのうて、日本中もそなるかもしれへん」
「日本中ーっ!?」
「そんな大変な事になってるの!?」
巻さんと鳥居さんが驚きの声を上げる。
そして、巻さんはハッとすると清継君の襟元を掴み上げた。そしてガクガク揺さぶった。
「ちょっと清継! もし封印が解かれたら私達どーなるのよ! 無事家に帰れるんでしょーね!」
「そうだよ! 清継君!」
鳥居さんも声を上げる。
「はっはっはっ、もちろんさ! マイファミリー達!」
めげていない清継君は揺さぶられながらも、両手を広げた。
「ここに精鋭の陰陽師達が揃っているんだよ!? 絶対、封印は破られないさ!」
と、黙っていたゆらちゃんが、突然スクッと立ち上がる。