第13章 わくわく京都への旅
「信じられない……。なんでこいつら堂々と人間を襲ってるのかしら?」
その言葉に、ゆらちゃんは、表情を厳しい顔つきへと変化させた。
と、背中にかばったカナちゃんが、私の服をツンツンと引っ張った。
「舞香ちゃん、ど、どうなったの……?」
震える声で尋ねるカナちゃんに私は後ろを振り向いた。
カナちゃんは、すごく怖かったのか、目をぎゅっと瞑っている。
私は安心させるように笑顔を作ると、明るい声で口を開いた。
「大丈夫! 花開院さんが妖怪やっつけてくれたよ!」
「ほ、本当……?」
恐る恐る目を開くカナちゃんに、私は深く頷いた。
「うん、ほら!」
妖怪が居たところを指さすと、カナちゃんは何も居ない空間を見つめ、ほうっと肩の力を抜いた。
「良かったぁ……」
と、境内の奥から「おーい」と言う掛け声と共に、こちらに向かって手を振る清継君と島君が姿を現した。
そして、清継君はゆらちゃんの姿を見つけると何故か、嬉しそうに目を輝かせる。
ん? エースに会えて、嬉しいのかな?
そう思っていると、清継君はゆらちゃんに急いで駆け寄り、両肩をガシリッと掴んだ。
「ゆら君! ちょうど良いところに!! 君に連絡をしようと思ってた所なんだよ!」
ゆらちゃんは眉を顰め清継君を見、そして島君を見た。
「なんで……、みんなおんねん……っ。今の京都はほんま拙いんやで……」
「どういう事だい? ゆら君?」
不思議そうに首を傾げる清継君に、ゆらちゃんは搾り切るように声を出した。
「妖に……、おかされつつあるんやっ! 今の京都は……!!」