第13章 わくわく京都への旅
危険が少ない、と判断したって事は、その判断材料があるっていう事だよね?
未来に何が起こるか、知ってる……?
お父さん、何者なんだろう?
過去、僧侶だって事は聞いたけど、ただの僧侶が未来の事が判る能力なんて持ってるハズがない。
もしかして、お父さんも転生者?
訝し気にお父さんを見ていると、お父さんは思い出したように手をぽんっと打った。
「ああ、そう言えば奴良家の息子さんが、寝込んでるそうだから、明日お見舞いに行っておいで」
え? リクオ君が寝込んでる?
私は驚きに目を丸くすると、一気にお父さんへの疑問が吹き飛び、リクオ君の事柄で頭の中が占められた。
寝込んでるってなんで!?
今日、河原で会った時はあんなに元気そうだったのに!?
リクオ君が寝込んでる姿を想像するだけで、心配な気持ちで胸がきつく締め付けられるように痛くなる。
原作には無かったけど、もしかして急な発熱?
大、丈夫かな……?
様子を今からでも見に行きたい。でも、もう外は暗くなってる。
お父さんの言う通り、明日お見舞いに行くしかない。
「うん。明日、絶対連れてって。お父さん」
リクオ君の家には何度か訪れたが、正規の道を通っての訪問じゃなかったので、道を知らない。
でも……
ふいにまた疑問が沸いて来る。
「お父さん、なんでリクオ君が寝込んでるって知ってるの?」
そう尋ねると、お父さんは綺麗に笑った。
「奴良家のお爺さんから連絡があったんだよ」
って、えー!? いつの間にか、お父さん、連絡先を交換するほどぬらりひょんさんと仲良しー!?