第13章 わくわく京都への旅
「お母さん。私も皆と一緒に旅行参加していい?」
「だめじゃ」
「えー! お母さん、お母さん、一人じゃなくて、皆で行くんだよ? 危ない事ないって!」
お母さんは私の言葉に眉を顰めた。
「そのような事を言って、前回あの童(わっぱ)に襲われたじゃろう!」
まだ言ってるのー!
「もう! あれは、ごーかーい! あのね、あのね、京には魅惑の美味しい肉料理があるらしいんだ!」
「ほう。京に美味なる肉料理があるのかえ?」
「うん! だからっ」
「舞香。そんなものでなくとも家族旅行でも良いじゃろう? 背の君ならば、必ず賛成してくれるぞえ」
「お母さん、さっき入れないって言ったじゃん!」
お母さんは私の言葉に、息を飲んだ。しまった、と言う顔をする。
「ぬうっ……。そ、それでは、神戸旅行ではどうじゃ? 肉が旨いらしいぞえ?」
むう、お母さんは断固として反対するつもりだ。
でも、肉料理! 諦めきれない!!
「でも、京都の肉料理も捨てがたいの!」
「だから、だめじゃ! もし危険な目にあったらどうするのじゃ!」
うん。この時期羽衣戦があるから、危険だと思う。
でも、滞在している間、ゆらちゃんの家でまったり出来るから、問題なし!
「ただ肉料理食べに行くだけだから、危険な事全く無いってば!」
諦めない。私の生き甲斐とも言える肉料理の為なら、絶対、諦めない!
しかし、お母さんはなかなか折れてくれなかった。
「だめじゃ! そのように気になるならば、京の店に注文すれば良いじゃろう?」
「お店でしか食べれないお肉があったら、どすんの!? 現地に行く方がいい!」
「だめじゃ。諦めるんじゃ」
「いーやっ」
私とお母さんの攻防は、お父さんが仕事から帰って来るまで続けられた。