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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第13章 わくわく京都への旅


そんなリクオ君がすごく気になって、じっとリクオ君を見ていると、清継君が不思議そうな顔をこちらに向けた。

「おや? 有永さんは、京は苦手かい?」
「ううん、京って行った事ないし、あんまり知らないし、どこを観光するのかなーって」
「有永さん! 観光じゃない! 妖怪巡りに決まってるじゃあないか!」

私の言葉に反論する清継君に「歴史はどーしたのよ」と巻きさんや鳥居さん達から半眼の目が向けられる。
でも清継君はそんな視線もお構いなしに、胸を張った。

「はっはっはっ、歴史はついでだよ、ついで!さあ、奴良君、君も行くだろう!? 何しろ名誉会員だからね!」

リクオ君は口を閉じ、眉を顰め少し考え込むと清継君に向けてニコッと明るく笑む。

「おじいちゃんに聞いてみるよ」
「へ?」「は?」「え?」

みんなリクオ君のセリフに目をきょとんとさせ、首を傾げた。

「なんで旅行行くことおじいさんに聞くの?」
「普通、親じゃね?」
「そうよねー……。リクオ君おじいちゃんっ子だったっけ?」

鳥居さんと巻さんとカナちゃんが、疑問の言葉を口にする。

あー、多分、ぬらりひょんさんに羽衣狐の事を聞く気なんだ。
そして、その後、遠野修業に放り出されるんだよね。
その中、遠野妖怪達と友情を深めるんだよね。

原作の出来事を頭の中でなぞっていると、ふいに男風呂の中に女の身体になった淡島さんが乱入するワンシーンを思い出した。
それと共に、なんだか胸の中がむかもやっとし出す。

ん? なにこの気持ち?
なんで、むかむかもやもやするんだろ? 

自分の胸に沸き上がる感情に首を傾げていると、リクオ君は「ボクのおじいちゃん、京の妖怪に詳しいんだ」と言い土手の階段に向かって駆け出した。

「へー? 奴良君のお爺さんって妖怪に詳しいんだね」
「紛らわしい言い方すんなよなー」
「お爺さんってあの小柄な人よね。清継君と同じ趣味持ってたんだ……」

駆け去るリクオ君の後ろ姿に、皆は思い思いの言葉を呟く。
と、清継君がイキイキとした表情で、声を張り上げた。

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