第13章 わくわく京都への旅
浮世絵町駅に集まったのは、巻さんに鳥居さん、そしてカナちゃんと発起人の清継君の4人だけだった。
私はカナちゃんに笑顔で駆け寄った。
「カナちゃん、数日ぶりー! 元気だった!?」
「あ、舞香ちゃん、久しぶり。舞香ちゃんだから日焼けして真っ黒になってるかと思ったけど、真っ白なままだね」
「うん! 漫画漬けの日々だったから! カナちゃんも焼けてないよねー。やっぱり、読モやってるから?」
「んー、そんな感じかな?」
そう数日ぶりに会ったカナちゃんと雑談に話しを咲かせていると、清継君が大きく咳ばらいをした。
「ゴホンッ、聞いてくれたまえ! 実は君たちに重要な話しがあるんだが、まだ人数が揃ってないので、河原に居る奴良君と合流してから発表させてもらうよ!」
と、巻さんがうろんそうな顔で清継君を見る。
「どうして奴良が河原に居るって知ってるのさ。もしかして衛星で見張ってたりすんのー?」
「見損なわないでくれたまえ! 巻さん! さっき奴良君家に電話したら、近くの河原に出かけていると言われてね」
「へー」
清継君の言葉に、鳥居さんが意外そうな声を漏らす。
ほほう、それで河原でバーベキューをしようと思いついたんだね!
リクオ君、どうして川に行ってるのか判らないけど、ナーイス!
心からの賛辞をリクオ君に送っていると、さっそく移動する事となった。
河原に着くと、皆で土手の上からリクオ君がどこに居るか見回した。
と、川の岸辺で座り込んでいるリクオ君を発見した。
「あ、あそこに居る!」
私がリクオ君の居る方を指さすと、清継君は「奴良くーん!」と叫びながら意気揚々とそちらに向かった。
清継君の叫び声に気が付いたのか、リクオ君は何かを川へ放り投げるとこちらへ振り向く。
「みんな、どうしてここにっ!?」
驚いた表情のリクオ君に、清継君は土手を下り愉快そうに「家の人に聞いたらここだって聞いてね!」と言いながら近づいた。
私達も清継君に遅れないよう、後を追う。
近寄るとふいにリクオ君と目が合った。
そのとたん、また昨日の夜の記憶が蘇って来た。
すごく恥ずかしい気持ちでいっぱいになり、顔が熱くなる。
ううっ、どういう顔すればいいのー!