第13章 わくわく京都への旅
昨日の事を思い出すと、心臓がドキドキして顔が熱くなる。
どうしたの!? 私!
そう。リクオ君はただからかって来ただけ。
こんなにドキドキする必要は無い。
判ってる。判ってるのに、顔が火照る。
「うー、リクオ君のばかー!」
そう言いつつ、私は枕を持ち顔を埋めたまま、ベットの上をゴロゴロ転がった。
と、また下の階で電話の音が鳴り響いた。そして、すぐその音は止む。
きっと、お母さんが電話を取ったのだろう。お母さんはまだ買い物に出かけてないので、下に居る。
今度はうー、うー、と枕に顔を引っ付けて唸っていると、お母さんに呼ばれた。
また清継君が電話をかけてきたみたいだった。
「……何の用だろ?」
原作での夏休み初めの頃の出来事は、もう終わったはず。
次は、原作通り行けば遠野編だけど、清継君には関係ないし……。まあ、私もだけど。
そう思いつつ、階段を降り、受話器を耳に付けた。
「もしもしー」
『やあやあ、有永さん! 腹痛は治ったかな!? はっはっはっ、今日は重要な案件で集まって貰いたくて連絡したんだよ!』
「重要な案件?」
はて? 何だろ? はっ、もしかして皆を集めてバーベキューでもするとか!?
「もちろん、参加するよ、清継君! 何か持って行くものある!?」
『流石有永さんだ! 集合場所は浮世絵町駅だ! 燃えて来たぞぉぉ! じゃあ、待ってるからね! 有永さん!』
おぉ! 持ち物の事を言わないって事は、全部清継君出し!? 流石、お金持ち!!
「うん、お腹空かせる為に走って行くよ! じゃ!」
私は素早く受話器を置くと、スキップしながら部屋に戻り、服を着替えた。
清継君が食材を用意するのなら、きっと高品質のものばっかりなんだろうなぁ……
口の中で蕩ける肉もいいけど、噛んだら肉汁がジュワッと溢れ出る肉も最高なんだよね!
いっぱい、食べるぞー!
ウキウキしながら、お母さんに出かける事を伝えると、私は駆け足でいつもの駅へと向かった。