第4章 夜若との遭遇
「まったく突然朧車から飛び降りないで下さい! さっきも鴆様の屋敷に無茶して突っ込んで……! 大体、3代目を継ぐ意志があるならば、総大将のようにドーンと構えて、……ブホッ!」
夜リクオ君は無言でそのお小言をしばらく聞いていたが、突然喋る黒い鳥の口を片手で塞ぐと、無言で牛車の方に放り投げた。
「なっ、若ーーっ!?」
「朧車、先に帰っときな……」
朧車と呼ばれた牛車は、大きな顔をコクリと縦に振り、ポスンッと牛車の中に放り込まれた黒い鳥を乗せて上昇した。
そして、どこかへと向けて発って行った。
さっきのって、もしかして……鴉天狗?
あまりの展開の目まぐるしさにポカンとしていると、身体がフワリと浮いた。
ほぅえっ!?