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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第12章 陰陽師には近寄るべからず


いつまで経っても衝撃が来ない。
私は、恐る恐る違和感のある右手を見る。
いつの間にか、かざした手は地面に降ろされていた。指を見ると長い爪が伸びている。
そして、迫り来てたあの顎を開けたものも無い。

もしかして、無意識に防衛してた?
あの大きな水の塊の攻撃を防衛するなんて、この爪すごい!

自分の爪の防衛能力に関心していると、竜二さんが口を開いた。

「ほう、俺の攻撃をはじくのか」
「竜二」

後ろに居た人が竜二さんの肩に手を置き、空いた手に何かの長方形の紙を構える。
きっといつも一緒に行動をしている魔魅流さんだろう。

確か、魔魅流さんの使う術は、雷!
怒ったお母さんの雷も吸収した私だ。もし攻撃が来ても耐えられるはず! きっと、………、多分!!

と、やはり予想通り魔魅流さんは、長方形の札に雷光を纏わせるとそれで攻撃してきた。

「滅」

雷の光が束になって襲い掛かって来た。
耐えられる、と思っていても、怖いものは怖い。

「っ!」

その恐怖にまた目を瞑り、両手で頭を抱えた。
しかし、またしても衝撃は来なかった。熱さも痛さも何もない。
ただ、額の所でバチバチッと何か音がしていた。

はぁ……、吸収、した?

ほう、と息を付いてると、また竜二さんが口を開いた。

「角か……。正体を現したな妖怪め。走れ”言言”」
「ちょ、また攻撃して来るのー!?」

無理、もう無理ー!
もう、攻撃受けたくないー!

「私、何もしてないのに、なんで!?」

必死に言い募るが、冷たく言い返された。

「妖怪は絶対悪。滅するものだからだ」
「そんなの偏見だよ! 誰か、誰か……! ひゃあーーっ!」

助けを求めて首を巡らせると、いつの間にか私の周りを竜巻の渦みたいに流れる水が取り囲んでいた。
それは、あっと言う間に私を飲み込む。
水が否応なしに鼻や口の中に入り込み、息が出来なくてすごく苦しい。
もがいても、もがいても、状況が打破できない。

いや、だ。死にたく、ない……! 助けて……! お母さん、お父さん………、リクオ君……!

そう、心の中で叫んだとたん、頭に固い何かがガンッと重い音を立てて当たり、目の前が暗くなると共に意識が途切れた。
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