第12章 陰陽師には近寄るべからず
ちょ、ちょっと待って!? 私そんな事言った!?
いーやー! 恥ずかしいっっ!
急激に顔へ熱が籠る。
「い、いや、あの、間違いって言うか、その、うん、リクオ君の聞き間違い! 絶対、聞き間違いー!」
「え、……そ、そうなんだ、勘違いしてごめん」
なんだか肩を落とした後、無理矢理笑顔で笑っているようなリクオ君。
なんだか、悪い事をしたみたいで、胸がちくちくする。
あー、うー、だって、好きになっても、未来のリクオ君は氷麗ちゃんを選ぶし……っ
なんだか、凄く泣きたくなった。
うー、もう!
その気持ちを振りきるように首を振ると、両頬をペンッと叩いた私は、回転する軸を中心に円形に複数のブランコが吊り下げられた空中ブランコを指さした。
「この話しはもうお終い! 今度はあれ! 空中ブランコ乗ろ! 空中を浮いてすごく楽しそうだよ!」
「あ、うん。もうちょっと聞きたい事があったんだけど、また今度でいっか……」
リクオ君は私の言葉に頷くと、立ち上がる。
「行こう! 舞香ちゃん」
「うん!」
リクオ君から差し出された手に無意識に手を重ねた私は、また他の人からの指摘を受けるまで手を繋いでいた事に気付かなかった。