• テキストサイズ

【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第11章 邪魅事件発生


大きな鍋でカニを茹でると、カニを剥き肉を取り出す。

「お母さん、このミソはどうするのー?」
「あんかけごはんの中に入れるでの、別に分けておくのじゃ」
「はーい」

一生懸命カニを剥いていると、玄関のドアが開く音がする。それと共にお父さんの声が聞こえた。

「ただいま、今、帰ったよ」
「背の君!!!」

お母さんはあっと言う間にキッチンから飛び出して行った。

うーん、いつまで経ってもラブラブだ。

まあ、いつもの事なので気にせずカニ剥きを続けていると、ダイニングキッチンの入口からお父さんとお母さんが揃って入って来た。

「お帰りー、お父さん」

お父さんは私の姿を見ると、柔らかく笑った。

「ただいま、舞香。旅行は楽しかったかい?」
楽しい………?

私は菅沼さんの家であった事を思い出す。

あれ? 遊んだ記憶が、ない?

「あー……ははは、普通だったかな?」

思わず苦笑すると、お母さんがハッという顔をし、お父さんに向かって口を開いた。

「背の君、聞いてたもれ! この旅行であのわっぱが舞香を襲いおったのじゃ!」
「ちょ、お母さん、誤解ーーっ!」

お父さんは、困ったような顔をすると、首を傾げた。

「それは、穏やかな話しじゃないね。本当かい? 舞香」
「ううん! お母さんの勘違い! ただからかわれただけだよ!」

私の言葉を聞くとお父さんは、また柔らかく笑った。

「そうなのかい。うん、芙蓉、舞香の話しをきちんと聞いてあげないとダメだよ?」
「しかしじゃな!」

なおも言い募ろうとするお母さんに、お父さんは腰を少し屈めるとその額へ唇を落とした。

………。こら。お父さん。子供の前でお母さんにキスするなんて、どこの外国映画!?

半眼で2人を見ていると、徐々に2人の世界へと突入して行った。

/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp