• テキストサイズ

【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第11章 邪魅事件発生


爪がまた変化した!?

でも、今はそれに変化した事は、私にとって具合の良いタイミングだ。
私は黒服の男達を牽制するように右手を構えた。

「この女、なんだ!?」
「化け物か!?」

男達は足を止め、構えた私の右手から伸びた鋭い爪を凝視する。
と、背中の方から菅沼さんの「ど、どうしたの?」と心配したような声が聞こえて来た。
私は黒服の男達を精一杯睨みながら、「早く、逃げて!」と短く答える。
しかし、菅沼さんが背中の後ろから動く気配はない。
心の中は焦りで一杯になる。

鋭い爪を見せて牽制していても、この人数で一斉に飛び掛かられたら、戦う術なんて一つも持っていない私は対抗できない。
右腕を取り押さえられたらお終いだ。

どうしよう、どうしよう……っ! お父さん、お母さん!……、リクオ君! 

心の中で焦り焦っていると、ふいにどこからか夜リクオ君の低く艶やかな声が聞こえて来た。

「邪魅払いとは笑わせる……。邪魅騒動こそ自作自演の猿芝居。外道ども……、人を惑わせるお前達こそ、”悪鬼なろべし”だ」

私はその声にほっと胸が軽くなる。
きっと原作道りこいつらをやっつけてくれる。
でも、ここに居たら必ず乱闘に巻き込まれる。

そう思った私は、右手を菅沼さんの視界から隠しながら、左手で菅沼さんの手首を取り、外へ向かって走り出した。
今度は抵抗も無く、私にひっぱられるまま、菅沼さんはついて来る。
と、後ろから野太い男の声が聞こえると共に、数人の足音が私達を追いかけて来た。

「追え! 追え! 逃がすな!」
「待ちやがれ! このアマ!」

「しつこい!」

拝殿へと繋がる石畳の上で足を止めると、私は追いかけて来た黒服の男達に向き直った。
そして再び菅沼さんを背中の裏に隠すと、無意識のうちに爪全体に力を漲らせる。
そして、本能の赴くまま、下から掬いあげるように腕を上へとスウィングさせた。
するとそこから渦巻く風が生まれ、周りの石畳を持ち上げながら、黒服の男達へと向かって行った。

「風雷!」

頭の中にふいに浮かんだ言葉を紡ぐと、渦巻く風に巻き上げられた男達へ大きな雷が落ちる。

「ふぅ……、……あれ?」

/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp