第11章 邪魅事件発生
道々、夜リクオ君は菅沼さんの部屋に貼っていた札は自分の考えの立証的証拠だと言い、今から向かう神主が黒幕だと話す。
息を飲む様子の菅沼さん。
多分、まだ信じられないのだろう。
そりゃそうだよねー。菅沼さんの見知ってる神主は気の弱そうな感じの人だものね。
まあ、原作通り行けば、神主の正体が夜リクオ君の言ってる通りの人だと判るだろう。
……。はぁ……。
「お腹痛いよ。リクオ君」
肩の骨が当たって痛いのだ。男の人ってがっしりした骨だからなぁ……
私の呟きを耳にした夜リクオ君は口を開く。
「今離したら、逃げんだろ」
「当たり前っ!」
「じゃあ、着くまでこのままだ」
うううううっ……。なんで、強引なリクオ君が好きなのー!私ー!
はっ!?いや、違う違う!私の好きなのは、清継君!
リクオ君は氷麗ちゃんを好きになる流れだから、だめだめだめっ!
くーっ、なんでか胸がツキツキきつい…っ
私は胸の痛みを気の所為にして、離さない夜リクオ君の背中をぽすぽす連続して叩き、ささやかな意趣返しをした。