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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第11章 邪魅事件発生


古い建物が多い町の中をゾロゾロと皆で歩いていると、電柱に寄りかかり誰かを待っている感じの女の子が居た。
長い髪を1本の三つ編みにし、眼鏡をかけ、セーラー服を着ている。
すごく真面目そうな女の子だ。
その女の子は私達に気が付くと勢いよく駆け寄って来た。
そして、リクオ君の両肩をガシッと掴む。

「ハァ、ハァ……、あ、あなたが清継君!?」
「へ? いや、ボクは……」
「ボクが清継だっ!」
「え? あなたが……?」

その女の子は、眼鏡を片手で掛け直しながら、胡乱げに胸を張る清継君を見る。そして溜息をついた。

「天パ……、はぁ……。今回も期待外れかしら…」

不満げな言葉に私は首を傾げた。

期待外れってどういう事だろう?
ん?そう言えばこんな場面原作のどこかにあったような?
あ! 邪魅事件の依頼主と対面場面!
おー、この女の子が名前忘れたけど、依頼主の女の子!
でも期待外れって言った事は、邪魅事件解決しないだろうな、という諦めの境地なのかな?
天パとどういう関係があるんだろ?
以前、失敗した人も天パだったからかも?

つらつらと思っていると清継君は女の子にがうっと怒りを露わにした。

「キミィ! 天パのどこがいけないんだい!? それにキミは誰なんだい!? 一体!」

そんな清継君を巻さんと鳥居さん、それにリクオ君が、「まぁまぁ」と宥める。
その横で、女の子は私達にペコッと一礼した。

「清十字怪奇探偵団に邪魅退治を依頼した菅沼品子です。来てくれてありがとう。詳しい事情を家で話しますので、付いて来て下さい」

菅沼さんは、電柱の傍にあった武家屋敷の門を開く。
立派な武家屋敷にほうっと息を付いていると、清継君がこの家を蔑む言葉を口にした。

「ハッハッハッ、すごいボロ屋敷だ。奴良くんとこよりボロいんじゃないのかい!?」

多分、仕返しに蔑んだ言葉を零しているのだと思うけど……、はぁ……なんだかなぁ、という感じだ。
少しげんなりした顔で、先を行く清継君を見ていると、ひょこっとリクオ君が顔を覗き込んできた。

「わっ!?」
「あ、びっくりさせてごめん。でもなんでそんなに難しい顔してるのかなって」
「あ、いやいや、なんでもないよ!」
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