第11章 邪魅事件発生
サングラスを掛けたスキンヘッドの人や金髪頭の人で、すごく悪い人相の人達だ。
大変!
「リクオ君!」
「あ、舞香ちゃん。大丈夫だから」
ひらひらと笑顔で手を振るリクオ君の首元を、ドレッドヘアの男が掴み上げる。
「てめぇ! 無視すんじゃねぇよ! この服どうしてくれんだよ、あー?」
「ほんとだ。黄色くなっちゃってるね。タオルで取れるかな?」
平然と返すリクオ君にハラハラしていると、突然ドレッドヘアの男は悲鳴を上げながらリクオ君から飛び退いた。
そして「おぼえてろ!」と捨て台詞を残しながら逃げていくドレッドヘアの男。周りの悪い人相の人達もわけが判らない顔をしながら、ドレッドヘアの男を追いかけ退場して行った。
どうしたんだろ?
うーん。こういう場面原作にあったかな?
私は脳内の記憶を検索する。
あ。そう言えば、小妖怪達がリクオ君の背中から現れて絡んで来た人達を脅かすんだっけ?
でも、こんな感じだったかな?と首を捻っていると、カナちゃんが「もうっ!」と言いながら、私の横を通り抜けリクオ君に駆け寄って行った。
その姿に、胸がもやもやとし始めた。
なんだか嫌な感じ。
何が嫌なのか判らないけど、2人仲良く話している姿を見ると、もやもやとした中小さな痛みが胸に生じ出す。
私……、やきもちやいてる?
いやっ、そんなハズないっ! 私の好きなのは、……清継君!!!
ペチペチペチッと両手で頬を叩く。
と、巻さんと鳥居さんの声が聞こえて来た。
「何してんのよー!」
「行くよー!」
「はーい!」
私は、自分に喝を入れるよう、最後にペンッと強く頬を叩くと、こちらを向いて待ってくれている清継君達の方に足を踏み出した。