• テキストサイズ

【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第4章 夜若との遭遇


いつ妖怪と遭遇しても良いように私は旧校舎探検から帰ると、ネットで『悪霊退散グッズ』を検索し、さっそく霊符と数珠を注文した。
総額4050円也。痛かった……
でも、命には代えられない。

そして、次の日。奴良リクオ君はいつものように台車の上に備品を乗せて廊下を駆けていた。
確か漫画の中のリクオ君は、良い人間を目指して、校内の雑用をすすんでやってたんだよね。
私は、廊下側の一番後ろの席に座り、頬杖を付きながら『ぬらりひょんの孫』の主人公の姿を追った。
漫画の中の人間が現実に生きている事に、改めてジーンと感動する。
あのリクオ君と同じ空気を吸ってると思っただけで、胸が熱い。

ふはぁ、リクオ君の姿が堪能出来て、満足、満足っ!

夜リクオ君の姿も見れれば、すっごい萌えまくりなんだけど、夜リクオ君の姿はリクオ君に深く関わらないと見れないだろう。
深くかかわると言う事は、妖怪世界の任侠沙汰に巻き込まれなくてはいけないと言う事。
巻き込まれたら、私、普通の人間なので、完璧死ぬ。絶対死ぬ。
命は大事にしないとね!
と、言う事で私は、傍観に徹する事に決めた。

3時半に終礼のチャイムが鳴り、HRを終えた生徒達が散らばって帰って行く。
私とカナちゃんと他の友達2人は、1時間程歓談すると教室を出た。
玄関で上履きを靴に履き替え、4人でスロープを下る。
と、緑の金網の向こうでリクオ君が一生懸命グラウンドの草むしりしている姿が見えた。
たった一人でだ。

うわあ……一人で大変そう。
なんで、誰も手伝わないんだろう?
まあ、皆、自分の事に精一杯だから手伝うなんて無理かぁ…
出来れば手伝ってあげたいけど、うーん。関わってしまう。
いや、今は人間同士だから、関わってもOK?

手伝おうかどうか、ぐるぐる悩んでいると、ひょこっとカナちゃんが右横から顔を出した。

「リクオ君、またやってる」

カナちゃんの顔を見ると、眉を少し顰めていた。
と、他の2人の友達も私の左横から顔を出し、口を開いた。

「あれ? 奴良の奴、今日も草むしりしてるの?」
「文字通り良い奴だからじゃない? 私、今朝の日直やってもらっちゃった」
「あ、私もこの前やって貰っちゃった。奴良がいると楽チンだよねー」
「うんうん」

2人の友達はクスクスと笑いだす。
その中、ちらりと2人を見たカナちゃんは、小さく呟いた。
/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp