第10章 期末テストなんてあるんだね
そして、日曜日がやって来た。
我が家に訪れたのは、ゆらちゃんを除くメンバーだった。
清継君、島君、巻さん、鳥居さん。そして、カナちゃん、リクオ君、人間に化けた氷麗ちゃんの7人だ。
当り前だけど皆私服を着ていた。
その中、何故か私の視線はリクオ君に向かっていた。
リクオ君は英語のロゴが入ったTシャツに青のジーンズを履いていた。
何故か新鮮で、胸がドキドキし出す。
って、ダメダメ!
私はリクオ君を好きになる資格なんて無いんだから!
リクオ君から視線を外すと小さく頭を振り、皆の方に向き直った。
「皆、上がってー! リビングの方が広いからそこまで案内するよ!」
案内って言っても、廊下を真っ直ぐ行って、突き当りがリビングだけどね!
「「「お邪魔しまーす!」」」
「って、有永ん家、おっしゃれー!」
「このドア、デザイン可愛いー!」
巻さんと鳥居さんが周りをキョロキョロ見回しながら、はしゃぎ声を上げた。
「うーん? 普通じゃないかな?」
こういう家に住み慣れてるから、お洒落かどうか判らない。
そう前の家も、こんな感じだった。
多分、お父さんがお母さんの趣味を優先させたのだろう。
と、すぐ後ろから付いて来る清継君が口を開いた。
「そうかい? ボクはもっと華美で優雅なデザインが好みだけどね……」
いや、清継君の好みは聞いてないから。
リビングへ案内する為に先頭に立って歩く私は、心の中で突っ込みを入れる。
と、そんな私に清継君がふいに近付いて来た。