第10章 期末テストなんてあるんだね
放課後になると、部活動をする為にカナちゃんと2人で部室になってしまった生徒会室へと向かった。
清十字怪奇探偵団には、テスト前の休みは無いらしい。
て、言うか他の生徒会のメンバーってどうなってんだろ……
ガラリと生徒会室の扉を開けると、清継君が右横にあるホワイトボードに向かって拳をドンドンとぶつけている姿があった。
「なぜだっ! 何故今日も来ないんだ! 花開院さーん!」
どしたの!? 清継くん!?
吃驚していると、清継君から少し離れて雑誌を読んでいた巻さんと、バランスボールの上で腹這いになって乗っている鳥居さんが、私達に向かって手を上げた。
「よっ、2人共。今日は遅いじゃん」
「家長さん、有永さん、いらっしゃーい」
私とカナちゃんは、巻さんと鳥居さんに近寄り挨拶を返すと、再びホワイトボードの前で悶絶している清継君に目を向けた。
そして、カナちゃんが声を小さくしながら、2人に尋ねる。
「どうしたの? 清継君?」
「あー、ただのわがまま」
「そうそう。私達が陰陽術の訓練してないのが、不満みたい」
「陰陽術? って、あ! あれ!?」
そう言えば……
数日前くらいに習った動作とかを思い出す。
でもあれから訓練は受けていない。
どうして今更?
首を傾げると、清継君がこちらを振り向き、大きな声を上げた。
「それもあるけど、そうじゃなーい! 我が部のエース、花開院さんが居なかったら締まらないじゃないかぁ!」
ガウッと吠える清継君。
「「そっち!?」」
巻さんと鳥居さんの突っ込みの言葉が重なった。
「でも、ゆらちゃんが居ないから、特別寂しいだけだったり?」
私の言葉に、巻さんと鳥居さんは、にやりと笑う。
そして、巻さんが、清継君の肩をポンポンと叩いた。