• テキストサイズ

【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第9章 覚醒


「クッ、ハハハハ! 女に庇われてみっともないな!奴良リクオ」

玉章は辺りに響き渡るような哄笑を上げた。
そして、その長い指を氷麗ちゃんに向けた。

「夜雀! その女にもお前の闇を味あわせてやれ!」

とたん、上空で羽ばたく音がする。
黒い羽根が辺り一面を覆うように舞い降りて来た。

これ、目に触れたらまずい!

慌てて手の平で目をガードする。

あ、氷麗ちゃん!
「氷麗ちゃん! 目に羽根を触れさせたらダメ!」
「え!?」

しかし、言うのが少し遅かった。
指の隙間から見える氷麗ちゃんの身体が、フラリと傾いたかと思うと、ドサリ、と音を立てて地面に倒れた。

「氷麗ちゃん!」
「う……、敵は、どこですか? 若は……」

氷麗ちゃんは上半身を起こすと手を彷徨わせる。
と、また玉章が笑い声を上げた。

「有永舞香。君一人で奴良リクオを庇えるかい?」

2人が見えなくなってしまった今、戦えるのは私しかいない。

私は下唇を噛むと、手を下に降ろし、キッと玉章を睨んだ。

夜リクオ君は、殺させない!
でも、まずは夜雀!
夜雀を倒さないと、玉章へ攻撃している最中にまた空から羽根を降らされる。
夜雀を倒す!

私は視線を空に向けると自分の”力”に意識を向けた。

判る。
”力”が身体全体に漲っているのが判る。
どんな風に使えばいいのか、判る。
何故か判る。

額の部分から熱が集まる。そしてそれを私は手の平に集めた。
そして目標を定め、手を振り上げると放出した。

「雷撃!」
「………っっ!!!」

私の指先から放たれた”力”は雷を呼び、天から降って来た光は大音響と共に夜雀の身体を貫いた。
/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp