第9章 覚醒
「若! 無理しないでお下がりください! 私がお守りしますから!」
「のけ。下がってろ」
「だって、こんなにいっぱい血が出てるんですよ!? いくらリクオ様でも、これ以上戦ったら死んじゃいます!」
「そう言えば、君は雷獣の娘に肩を食い千切られたのだったね」
玉章が仮面の下で、ククク、と笑う。
食いちぎった……?
わたし、が?
どんな暴走か知らなかった私は驚きで目を見開く。
と、隣に腰を降ろしているお母さんが苦々しく呟いた。
「童(わっぱ)のくせに無理しおって……」
「無理……?」
「舞香。お主の暴走を止める為に、自分の肩肉をくれてやったのじゃ」
肩肉!?
どういう状況だったの!?
あまりの衝撃に言葉を失っていると、お母さんは優しく長い尾で私の肩を叩いた。
「童(わっぱ)が止めてくれたおかげで、数珠を掛ける事ができたのじゃ」
ちょっと待って!
今、四国との戦いが大詰めの場面っぽいのに、私、夜リクオ君に怪我をさせたの!?
しかも、思い切り血が出てて、重症っぽい!!
どうしよう、どうしよう!