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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第9章 覚醒


お母さんは頬を赤く染め、それに手を添えた。
表情が『大好き。世界一大好きじゃ』とハッキリと語っていた。

えーっと……ノロケ話し。御馳走様です。

私は大きく溜息をつく。

でも。
玉章の話しとお母さんの話し。すごく違い過ぎる。
お母さんの話しの中では、ぬらりひょんから卑怯な事をされたなんて、一言も出て来なかった。
それに、お母さんは、追い出されてなんかいなかった。
どういう事?

それに……
今まで気が付かなかったけど、玉章に会う前から、ぬらりひょんの孫の奴良リクオを嫌っていた。
お母さんの敵の孫、という理由で。
……。
誰にその事を聞いたんだろう?
誰に?

眉間に皺を寄せながら考え込んでいると、お母さんは私の肩を優しく押し、ベッドに横たわせる。
そして布団を掛け直すと私の眉間を指で軽く押さえた。

「そんなに考え込むと、また知恵熱を出すぞよ?」
「うん。でも……」
「気楽に考えれば良いぞよ? しかし、奴良リクオを誘惑する、という考えは禁止じゃ」

そう言うとお母さんはしかめっ面を作った。
もしかしたら、可愛い娘を嫁になんて行かせぬ、って考えてるのかもしれない。

奴良リクオを好きになるはず無いのに。

私は苦笑しつつ、お母さんに向かって頷いた。
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