第7章 補習と追試は勘弁して?!
ー圭太side-
万美
「あれ、梨沙は?」
吉岡と光紀の顔の話をしていたら、いつの間にか梨沙の姿が消えていた。
圭太
「ほんとだ、居ねぇ…アイツどこ行ったんだ?」
万美
「トイレかな?」
圭太
「出て行く音は聞こえなかったけど…」
光紀
「なぁ…もしかして、あれじゃね?」
光紀が指した方を見ると、俺のベッドの布団が異常に盛り上っていた。
万美
「絶対そうね。」
圭太
「あぁ…さっき眠たいとか言ってたしな。」
万美
「ったく…本当、マイペースにも程があるんだから…」
呆れた様子で溜息を吐く吉岡。
まぁ、なんやかんや言ってても、いつも梨沙の事をちゃんと見てくれてる。良い奴だ。
光紀
「何か、暇だなー…」
圭太
「暇なら、勉強するって選択肢があるけ…」
光紀
「ムリムリー」
即効で却下してきたコイツを睨んだ。
圭太
(危機感なさすぎだろ。コッチも、アッチも…)
梨沙が寝ている方を見る。
自分の物でもあるかのように、ピクリとも動かない梨沙を見て、爆睡してんだな、と思う。
光紀
「なーにしよっかなぁ。」
万美
「今から帰ってもする事ないしねー」
圭太
「梨沙起こすか…」
万美
「別に良いんじゃない? 寝かせとけば。」
圭太
「そういう訳には行かねぇんだよ。…ったく、この前言ったばかりなのに…」
光紀
「何を言ったんだ?」
圭太
「男のベッドに勝手に潜り込むなって言ったばっかなんだよ。」