第5章 俺も一緒に!!
梨沙
『な、何が大変なの…?』
状況が掴めていない私に、光紀君は「ふぅ~」っと溜め息を吐いた後、「何でもない。取り敢えず、二人を静めないと。梨沙ちゃんは圭太をよろしく。」と言って二人の間に割って入って行った。
梨沙
(そうだね。取り敢えず圭太の機嫌を直さないと…)
そう思った私は圭太の前に立って顔を除き込むようにして、様子を伺いながら圭太に『何で機嫌悪いの…?』と聞いてみた。
圭太
「………」
梨沙
『おーい、圭太ー? 圭太くーん?』
黙ったままの圭太は私の目をじっと見た後、ふいっと逸らして「別に…」とぶっきら棒に答えた。
目を逸らされた事に少し胸がチクッと痛んだものの、負けてたまるか! と思い、圭太の両手をギュッと掴んで『今日の圭太どうしたの? 部活中も機嫌悪かったみたいだし…何かあった?』と、もう一度聞いてみた。