第5章 俺も一緒に!!
圭太の機嫌の悪さは私でも手に負えなくなる時がある。
それが今だ。
普段なら、『機嫌直して?』と言うと「うっせ…」と言いながらも機嫌を直してくれる。
だけど舌打ちまでした今、私にはどうする事も出来なくなるのだ。
真樹斗
「梨沙姉どうかした?」
私の異変に気づいたのか、真樹斗が圭太の顔を見た。
圭太の顔を見るなり真樹斗は一瞬目を見開いたが、すぐにニヤッと何かを企んでいるかのような顔つきになり、何を仕出かすのか少し冷や汗が背中を伝った。
梨沙
『真樹斗、圭太今機嫌が悪いみたいだから…』
真樹斗
「黒兄、眉間に皺寄せてどうしたの。」
そっとしておいて。
その言葉を言おうとした私の言葉に被せて真樹斗が圭太に話しかけた。
梨沙
(あぁ…! 今話しかけちゃダメだよ!)
話しかけられた圭太は眉をピクピクさせながら真樹斗を睨んでいた。
それなのに真樹斗ときたら何故かニヤニヤしちゃって、ちょっと怖い。二人の間に火花が散るのが見えた気がした。
光紀
「あ、圭太ー梨沙ちゃーん!」