第5章 俺も一緒に!!
ー梨沙sideー
真樹斗
「ねぇ、梨沙姉ー」
梨沙
『なぁにー?』
真樹斗は私の横でニコニコしながら軽くステップを踏んで声を掛けてきた。
真樹斗って、本当大きい犬みたい。
真樹斗の笑顔に自然と私の顔も緩む。
…チラッと圭太の顔を見る。
さっっきからずっと眉間に皺を寄せてイライラした面持ちをしている圭太。
ほんと、今日はどうしたんだろう?
梨沙
『ねぇ、真樹斗。』
なに? とニコニコしながら私の次の言葉を待つ真樹斗。
私はこそっと真樹斗に耳打ちをしながら聞いてみた。
梨沙
『何で圭太が不機嫌なのか知ってる?』
そう言うと、何故か真樹斗はクスッと笑って「知らねぇー」と私の質問を適当に流した。
梨沙
(もう、こっちは真面目に聞いてるのにー)
素っ気無い真樹斗に頬を膨らませていると、隣からチッと舌打ちのような音が聞こえてきて、思わず圭太の顔を見る。
梨沙
(うわ…不機嫌極まりない…)
圭太の顔つきは、それはそれは不機嫌を醸し出していて、オーラがドス黒く、うっ…と私の顔が引きつった。