第4章 お向かいさん。
梨沙
『せ、折角だし圭太も一緒にお話ししようよ!』
圭太をソファに座らせ、さっき真樹斗と話した内容を圭太に伝えた。
圭太
「…別に、お前がそれで良いんならいいけど。」
真樹斗
「本当に?!」
圭太
「部活入るのに一々許可なんていらねぇだろ。」
梨沙
『あ、そう言えば今年の夏合宿はあるみたいだよ。』
圭太
「マジかよ…」
梨沙
『何てったって、キャプテンがあの亜由河先輩だからね。』
空手部のキャプテンを勤める亜由河 腎(あゆかわ じん)先輩は、スパルタなのだ。
まだ先輩達が現役の時も、先輩達以上の気迫だったのを覚えている。
朝練も終わる頃には汗でびしょびしょになる位だ。
まぁ、空手部の皆が熱血なだけなんだけど、亜由河先輩はそんなのと比べ物にならないくらい熱血なのだ。
圭太には「熱血」って言葉は似合わないけどね。