第1章 幼馴染み
ー圭太sideー
もそもそ…
圭太
「ん…」
なんか、もそもそしてる。
…またか。
梨沙
『はぁ~、あったか~い。』
圭太
「…お前、なにしてんだよ。」
梨沙
『ん? 圭太を起こしに来たの~』
圭太
「いや、どこが。つか、なに勝手に布団中入って来てんだよ。出ろ。」
梨沙
『ん~、いや』
圭太
「出ろ」
梨沙
『いや~』
圭太
「出ろって」
梨沙
『いやですぅ~』
圭太
「いい加減に…しろ!!」
梨沙
『ぎゃっ!?』
あまりにもしつこく、イラだった俺は、布団から梨沙を蹴り落とした。
梨沙は打った部分を擦りながら『痛いな~』なんて、呑気な事を言ってやがる。
俺の気持ちも知らないで…。
梨沙は毎朝毎朝、こうやって俺の布団の中に入ってきては、何故か寝ようとする。