第3章 真樹斗の存在
ー圭太sideー
圭太
「…ん、」
あれからどれくらい寝たのだろうか。窓の外から入ってくる光は、少しだけオレンジ色を纏っていた。
圭太
「え、梨沙?!」
目線を下に向けると、腕の中で梨沙が眠っていた。
ってか、俺いつの間にコイツ抱き締めたんだ?!
寝る前は確か梨沙は向こう向いてたはず…
と言うことは、俺、寝惚けて梨沙を抱き締めたって事か?
……うわ、何かめっちゃ恥ずかしいんだけど!!
そう思った俺は、梨沙から腕をゆっくり離したんだけど…
圭太
(コイツ、俺を抱き枕にしてやがる…)
梨沙は、俺を離さまいと、くっ付いている。
小さい頃、梨沙が家に泊まりに来ては、俺を抱き枕かのようにして寝ていた。
最初は平気だったけど、年齢を重ねていくうちに、平気じゃなくなっていった。