第2章 お調子者の考えることはわからない
「いやぁ、今日の担任の怒号って言ったら……煩いってぇのww」
HRと言う名の先生の説教が終わると、私の前の席にいる高尾は叱られた後のはずなのに笑いながらそう言った。
このお調子者で軽薄そうな彼、高尾和成は私の同級生である。何と言っても彼の取り柄はそのコミュニケーション能力で、おそらくどんなツンツンなツンデレやおは朝占い信者でチャリとリアカーを合わせたもののリアカーの方に乗り、そのチャリを人に漕がせるような重労働をさせる緑の髪をした人とでも仲良くなれるだろう。
「高尾が後ろを向いていたからでしょう?」
私が核心をつくことを言えば、「まぁそうだけどwww」と笑いながら彼は答えた。
「それよりさ。お前、元気がねぇじゃん?どうしたんだよ?」
……これも彼のいいところだと思う。人を見ることに長けているって言うのかな?すぐに小さな変化も気づく。気づいてくれる。
「うん……そうだね。話すと長いんだけど………」
私が話を切り出そうとしたところで一限目を告げるチャイムが鳴った。
「タイミングわりぃな……」
「うん……。とりあえず、放課後でもいい?」
そう尋ねるとタイミング悪く鳴ったチャイムに苦笑していた彼は人のいい笑顔で頷いてくれた。