第2章 昔ばなし
時は5年前まで遡る_____
「………あっ………はぁ………ん、や……」
押さえた口許から漏れる熱い息。
いけないとわかっていながらも、どうしようもない快感に理性をグラグラと揺らされ、感覚が麻痺してくる。
「んっはぁ……も、獅、郎……!」
キッチンの調理台に半身をのし掛からせ腰を抱かれたエレナは、自らの最奥をこれでもかと突き上げてくる熱を声を殺し受け止めていた。
自分を攻め立てる男の名を呼ぶと、その男はエレナの秘部へ自身の熱を突き上げる腰の動きを止めることなく、フッと息を漏らす。
獅郎「ふぅ…締まる締まるっ。さ、すがに……もう持たねぇは……はぁっ……」
打ち付けられる腰は速度を増し、その行為が終焉へと向かう気配を漂わせた。
同時に襲いかかる快感と絶頂感。
獅郎「…… エレナっ………エレナっ」
獅郎の手は追い詰めるかのように彼女の胸を揉みしだき、その逆の手は濡れて固くなった尖りを執拗に弄っていた。
「あっ……はぁんっ……も、無理ぃ…っ、イく、イッちゃうぅ…!」
ねっとりと首筋を舐めあげられ、ゾクゾクと全身に電流が走る。
背中に覆い被さった獅郎の体温が熱く感じられる。
そっと耳元に囁かれる掠れた低音。
獅郎「………ほら、イクぞ……っ!……………くっ!」
「んん~~////!!」
絶頂と同時に唇を奪われ、それは未だに重なったままだ。
程なくして離れる熱。
今まで感じていた熱は、唇からも背中からもなくなっていた。
ただ唯一繋がったままのソコからは彼の熱が達してもなお、存在を主張している。
「………はぁ、はぁ、は、やく……抜いてよ………」
熱の余韻に肌がうっすら桃色に染まったまま、肩で息をしているエレナがちらりと後ろを見ながら訴えた。
しかし、視線の先の男は口角をあげニヤリと笑うと、彼女の訴えとは逆に、ゆるゆると律動させた。
「えっ………あっ……ちょっ、と!ばかっ!」
自分の動きに合わせ甘い声をあげるエレナの姿に、獅郎は満足げに笑った。