第2章 昔ばなし
息が整うまでの間、二人は抱き合ったままベッドに横たわっていた。
獅郎「はぁ~~~~もう、本当、好きすぎる。早く俺のものになっちまえ。」
「………中はダメって言ったよね…?」
獅郎「あ?別にいいだろ?出来たら、そん時は晴れて俺たちは夫婦だ♡むしろ、早く宿れ、俺の子!」
そう言いながら獅郎はエレナのお腹の辺りをさすり始めた。
エレナははぁ、とため息をつくとベッドから起き上がろうと上体を起こそうとした。
獅郎「どこ行くんだよ?泊まれって言ったろ?」
腰の辺りに抱きついてきた獅郎の髪に指を沈めると、見上げるその目に微笑みを向ける。
「……残念ね、今日は安全日でした。それに、もう疲れたから大人しく泊まっていくわ?……今は、携帯を取りに行くだけよ。1つ連絡を入れたいの。」
獅郎は、ちぇ、と拗ねるような表情を見せた後、少しほっとした様子で抱きついていた腕を緩めた。
そのままごろりと横になると、半身を起こして腕枕をつき、ぼんやりと眠そうな顔でエレナを見つめていた。
獅郎「早く孕んじまえよー。………ふぁ~ぁ………何だ、急に眠気がきたな。おい、早くそれ済ませてこっち来いよ。」
近くに置いてあった獅郎のTシャツを羽織り、ベッドに腰掛け携帯を操作しているエレナに獅郎はすり寄ると、そのままうつらうつらと眠りについてしまった。
そんな獅郎を見てエレナはくすりと笑い、その頭を優しく撫でた。
「おやすみなさい………獅郎。」
_________エレナと獅郎が体を重ねる関係に至ったのは、今から4年前のある夏の日のこと。