第3章 secret.2 正体
とたんに女子達の目の色が変わった。
「椿さん、どういうこと?」
リーダー格の女子が蓮華を睨みつける。
「えっと…」
それはこっちが聞きたいと蓮華は烙抖を見た。
「そのまんまだよ、なぁ蓮華」
烙抖は蓮華の顔を覗きこむ。
まるでこの後に起こる騒ぎが分かっているように。
烙抖が蓮華から離れたのを合図に、女子達が歩みよる。
「あの…」
あまりの気迫に蓮華は後ずさるも、すぐ後ろに壁があるのでこれ以上は下がれない。
烙抖を見ると、邪魔者がいなくなったとあくびをして机に突っ伏してしまった。
「蓮華彼氏いたのっ?!」
千夏は驚いたように口に手を当てる。
クラスにいる他の男子は蓮華を気の毒そうに見るだけで、助けてくれる気配はない。
そこにタイミングよく一時間目を告げるチャイムが鳴るが、女子達は蓮華を睨みつけるまま。
こうなると女子達はてこでも動かない。
さっき会ったばかりの烙抖にここまで執着出来る女子達はすごいな、と蓮華は思った。
それから蓮華は休憩時間のたびに質問責めにあうことになったのだ。