• テキストサイズ

禁断ブラッド〜刻印の果実〜

第3章 secret.2 正体


ベッドは後日マンションに届けるということになり、不服そうな烙抖を連れて蓮華は店を出た。

「ちっ、今日もソファーかよ」

腕を組みながら舌打ちをする烙抖。

「遅くても明後日には届くから」

日が傾きかけている。

今日の夕食なににしよう。

蓮華は空を見ながらぼんやりと考えていた。

「ねぇ、烙抖くんは…」

開きかけた口を閉じる。

烙抖くんに夕食のこと聞いたってだめだよね。

蓮華はいまだに烙抖を吸血鬼と認識しきれていないところがある。

不思議と烙抖はこの人間世界に溶け込んでいた。

烙抖を取り巻く独特の雰囲気はどうしようも出来なかったが…。

「…なんだよ」

聞きかけて止めたことが気にさわったのか怪訝そうに蓮華を睨む。

「何でもないよ」

ニコッと笑いかけて蓮華は前に視線を戻した。

夕日は蓮華達に影を落とす。

ざわめく周りの音とは裏腹に、蓮華達は会話をすることもなく家路へと向かった。

途中烙抖は蓮華の隣で、顎に手を当ててあの満月の夜のことを考えていた。


/ 40ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp