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禁断ブラッド〜刻印の果実〜

第3章 secret.2 正体


「噂によると超イケメンらしいよっ!」

千夏は目を輝かせている。

他の女子達もキャアキャアと話をしているところを見ると、皆そのイケメンを早く見たいらしい。

「ん?」

千夏が何かに気づいたように、蓮華の袖口に視線を送った。

「蓮華…これ何?」

「あっ!」

指差された手首を庇うように隠す。

「な、なんでもないよ」

「ふぅん」

とここでチャイムが鳴ったので、皆はガタガタと自分の席に着席をした。

蓮華も窓際の席に座る。

ガラッ

「HR始めるぞー」

担任の先生が教壇に立つと学級委員が号令をかける。

眠そうにあくびをするこの先生は谷山 守(たにやま まもる)。

学校で一番若く人気があるが、その年齢を知るものは少ない。

一部の生徒には、メガネを外したらイケメンとして騒がれている。

だらしなくしめられたネクタイにシャツのボタンは2つ開けられている。

「今日は転校生を紹介するぞー、入れー」

扉に呼びかけると転校生がだるそうに教室に入ってくる。

それと同時に飛びかう女子生徒の黄色い声援。

不機嫌そうな顔で教壇に立った転校生は…

「天羽 烙抖」

と一言自己紹介をした。


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